気を放つ風景 photography

エッセイ_ミャンマー

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ミャンマー

 数千の仏塔や寺院遺跡が平原に広がるバガンのスケールと美しさに圧倒される。乾季の澄んだ青空に、黄金色の仏塔が輝き、自然林の平原がどこまでも続いている。それぞれの寺院の中では、一般市民や若者までが、静かに瞑想をしている。まるで、ゆったり流れるエーヤワディー川の流れのように。古都バゴーの寝釈迦仏の前で巡礼の僧が瞑想し、参拝者が祈っている中で、猫もゆったりと居眠りをしていて、気持よさそうである。
 満天の星空の下で観た、幻想的な人形劇と民族舞踊。女装した舞踊家の妖しげな舞い。ひょうたんのスープやナスの煮物など、あっさりしてはいるが、微妙なだしでとてもおいしい。色鮮やかなロンジーという巻きスカートをはき、タナカという日焼け止めのおしろいを頬に丸く塗っている女たち。大人も子供の日本人とそっくりであるが、みな微笑して楽しげだ。自然に生きていること自体が楽しいのであろう。僧院を訪ねた時、若い僧たちの表情や所作が、穏やかで、たくましく、元気な様子に、上座部仏教の修行の正しさを感じた。
 自然身法では日常の行住坐臥に心をこめて行うことこそが、命に目覚める方法であり、元気の源であるとしているが、ミャンマーでは、そのことがビッパーサナ(観想行)として修行僧から一般の人々まで行き渡っているような気がする。貿易を再開し、近代化を推し進めようとしているが、豊かな自然や民族文化、信仰心、微笑が失われていかないことを切に願う。

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バガン・夕日バガンの御来光バガン・朝日の観気バガンバガン、ダマヤンジ寺院寺院で瞑想シュエサンドーパゴダアーナンダ寺院シュエモード・パゴダエーヤワディー川チャウッターチー寝釈迦仏ビルマの竪琴と舞踊女装した舞踊家市場タナカを塗った女の子と小僧さんチャカワイン僧院

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