気を放つ風景 photography

エッセイ_能登

能登パワースポット観気2022 Noto Power Spot Kanki Tour

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秋分の連休に能登半島に観気撮影の旅に出た。奥能登は初めて。地図上の日本列島は太平洋に向かう龍のようだが、能登半島は、その背びれのようにも見える。その形状は東に口を開く白虎にも似る。つまり日の本の北西の要所ということだろう。実際に行くと、たくさんの龍虎のパワーが迫ってきた。能登とは、蝦夷の言葉の突起を意味するノットから来ていると言われている。能登半島と付け根の金沢を中心に栄えた加賀百万石、前田家の豊かさの理由も分かってきた。
初日は、西能登の龍穴、『氣多大社』をめざす。金沢から海岸沿いを真北へ50キロ、途中、日本で唯一波打ち際の砂浜を車で走れる千里浜を走行。
はるか昔、氣多(ケタ)とは日本海の呼び名だったそうである。大社は、その名のとおり日本海の生気が集まっているような、とくに背後の神域「入らずの森」は霊気が充満しているように感じた。
氣多大社・入らずの森 能登金剛、巌門
氣多大社の気に浴していると、不思議に雨が上がった。さらに能登の西海岸を北上し、断崖続きの景勝の地 『能登金剛、巌門』の岩場を巡る観光船に乗る。
熔岩が固まり天然のコンクリートのような岩肌が独特な造形を作り出している。波が凪ぎ、心地よい海風が肌を撫でる、緑青色に澄んだ海に、心身は溶け込んでいくようだ。
午後、能登半島の真中を西から東へ横断し、穴水町へ。『七尾北湾』の海岸に降りると、もやの中に太く短いオレンジ光が出現。漂っていた霧が流れると空から水面までがピンク色に染った。
七尾北湾 九十九湾の澄んだライトグリーンの海
能登、東海岸を更に北上すると小島が浮かぶ美しい九十九湾に着いた。大王イカのモニュメントで有名になったけれど、能登沖の豊かな漁場を求める漁船の繋留湾、日本海が荒天で荒れていても、この入り組んだ湾の中はいつでも穏やかだという。小舟で鏡のように凪いだ湾をゆったり遊覧する。  
さらに海岸線を北へ15キロ北上すれば、珠洲温泉、海を眺めながらアルカリ温泉で旅の疲れを癒した。
日の出前の珠洲の海岸前に浮かぶ見附島 倒さ杉
風水の良い場には、巨木、豊かな森林が育つ。能登北東の珠洲(すず)の海岸にも近い、高照寺には、樹齢900年の巨木、倒さ(さかさ)杉が、幅30メートルに渡ってタコ足のように枝葉を広げ、回りに生気を放っている。
その海岸沿いに北へ18キロ、能登半島北東端にも近い三崎町に、日本海、海運の安全を守護する須須神社が鎮座する。回りの原生林の気配は能登の北側なのに不思議と南方の温かな気を感じる。熱田神宮を中心に、伊勢神宮、須須神社が南北一線上に繋がっているからであろうか、また京都の北東にも位置し、日本全体の鬼門の守りになっているという。
須須神社神社の社叢 倒さ杉
能登半島、最北端の禄剛崎(ろっこうさき)に辿り着いた。断崖の上から眺望すると、大海原を270度ほど見渡せ、はるか西方にはアジア大陸も見えそうである。
ここは日本列島のほぼ重心点にあり、中心であるという。日本海の東北からの寒流と西南からの暖流が交わる所でもある。やはり能登は気の集まるパワースポット・氣多(ケタ)なのである。波の動きや波紋をよく見ると縦に龍のように波打っている。左右から暖流、寒流がせめぎ合って、陰陽和合しているのである。
能登金沢の旅も最終盤。最北端から西へ下り輪島で寄り道。
地元の魚介料理屋、のと吉でノドグロの炙り焼きを頂く、ふわっとした柔らかなうま味が口中に広がり感動!獲れたての刺身は東京では味わえない絶品!輪島切子グラスに注がれた地元人気の吟醸酒、白菊がすすむ。
翌日、輪島を後に、能登半島を北から南に120キロ一気に南下、金沢市へ帰着。復元最中の壮大な城や兼六園も素晴らしいが、やはり金沢らしいのは茶屋街だ。昔の街並みは、私の育った頃の鹿児島市の旧街に似ていて懐かしい。いまだに芸子さんも多く、三味線の粋な音も聞こえてくる。
東山のお茶屋の廊下で
能登半島を巡って感じたことは、氣多の豊かさだ。海の幸、陸の幸の豊かさ、人の文化も輪島塗のように艶やかだ。海浜の家々は、黒光りする能登瓦と杉板張りの外壁に統一され、美しい。「キリコ」祭り、神祝いの「あえのこと」など多くの伝統行事も盛んだ。加賀百万石は、そのような縄文の頃から一万年近く続く豊かさの結晶なのであろう。

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