気を放つ風景 photography

太陽の陽気を浴びる

taiyo20140628.jpg

太陽の陽気を浴びる

曙は再生の力

 星の瞬く闇が水中のような藍色の世界に変わってくると、しだいに東の空は薄紅に色づいてくる。紺色に包まれた世界に紅のインクが溶けていき、地平線が赤紫色に染まる。さらに時が止まったように薄明の天空が、紫色に輝いてくる。藍から赤紫、そして紫、紅、橙、黄、白色という空のスペクトルの変化は、眠っていた意識を覚醒して、心身に生命力を蘇らせるのだ。

黄昏は癒しの波動

 夕べに屋外へ出ると昼間の喧噪は影をひそめ、人も建物もすべてが茜色に染まっている。しだいに個々の色や形はうつろになり、すべてのものが等しく黒い影と紫に染まる。眩しいハイライトの空間が柔らかく和んできて、ほどよい疲れと安堵が訪れる。青紫色の夜のとばりが下りてくると、すべての動きが凪いでいくかのようである。黄昏の波動は人を安らかに癒してくれるのである。

トワイライトは不可思議ゾーン

 地球と太陽の織り成すドラマであるトワイライトは見るものを魅了する。それは一日の始まりと終わりという陰陽の変わり目、陽気と陰気が交わる不思議な時間である。日中や夜は遠くにあって意識されない天空が、突然大きく変動して身近に迫ってくる。人工物に囲われた現代人といえども、一度外へ出れば、自然の中に生きていることを実感できる宇宙的な瞬間なのである。

トワイライト・メディテーション

 トワイライトはゆったりした気持ちで眺めているだけで、私たちを癒し、元気づけてくれるが、意識的に観想することも古来より行われてきた。
 まずは見晴らしがよく、静かに落ち着ける場所を探す。日の出または日の入りの20分ほど前には、その場に落ち着けるようにする。太陽の方向に向かって、数分の間ゆったりと呼吸しながら目を閉じ、体内を見つめて瞑想する。心身が落ち着いてきたら、静かに目を開き夜明け前の(または日没前の)空の色や気配を全身で味わい、呼吸する。
 日の出や日の入りの時には、日光を直接見ることは眼によくないので、地平線近くのやわらかな光を一瞬観るようにする。目を閉じ、瞼の裏に映る残像の太陽を観るのである。そのエネルギーが全身に広がるのを観想する。その後、ゆっくりと目を開き、全天の空の色を眺める。意識を外界に開いていき、はるか天空大地に心を開けば、心身は大自然とひとつになっていくのである。

天空の微笑み

 トワイライトの虹が溶け合うような美しさは、太陽の光と大地の闇が織り成す微妙な気色(けしき)である。闇の世界から光が誕生する曙のドラマは、再生の力を呼び覚まし、すべてが静寂の中へと包みこまれていく黄昏の気配に、心身は癒されていく。晴れの日であろうと雨の日であろうと、トワイライトには荘厳な気配が漂う。日の出前に、空が赤紫色に輝く瞬間は、柔らかくきらめいて、天空の微笑みのようである。

*詳しくは『体感 パワースポット』をご覧ください。

→次へ

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional