エッセイ_熊野
熊野
古来、天皇から庶民に至るまで「蟻の熊野詣」といわれるほど多くの人が熊野に詣でてきた。そこに行き着けば、難行苦行も苦にならないくらいの心の喜びと心身の解放があったのだろう。
那智瀧は三方を山に囲まれ、東南に補陀洛の海を臨む理想的な四神相応の地であり、そこから大峯山の龍脈に乗り、玉置・天河・吉野・飛鳥・平城京・平安京と、聖地や都が連なる北斗の道が伸びている。
熊野は、秦の始皇帝の命により不老不死の霊薬を求めて蓬莱を目指した徐福が上陸した地だともいわれ、那智の青岸渡寺はインドからやってきた裸形上人が開山したと伝えられる。霊気に満ちた癒しの地であるとともに、古代東洋文化のリンクポイントでもあった熊野は、さまざまな世界との交流へと意識を広げてくれるのだ。
右の写真は新宮市神倉山のご神体、ゴトビキ岩である。毎年2月に勇壮な火祭り「お燈祭」が行われる。
*詳しくは『体感 パワースポット』をご覧ください。